【読書録】1月前半ーその女アレックス、楽園のカンヴァス、その他ー
1月前半は、無職で且つ風邪で寝込んでいたこともあり、普段より読書量が多い。
しかも、個人的にはめずらしく、小説を多く読んでいる。
折角の無職なので、心はビジネス書から離れたがっていたのかもしれない。
その女アレックス/ピエール・ルメトール/文春文庫
正直、長い。長いけど、止まらない。
パリで起こった誘拐事件の解決を巡り、
何を信じていいかわからなくなるほど、ストーリーには、何度もどんでん返しが訪れる。
読めば読むほど、登場人物たちの過去について、もっと知りたくなる。
Amazonを見るとネタバレ含むレビューが多いが、
レビューは読まずに、とにかくこの本を手にとって読んでみて欲しい。
楽園のカンヴァス/原田マハ/新潮社
これも読み出したら止まらない、絵画をめぐるミステリー小説。
これは今一番人に薦めたい本かもしれないなぁ。
それでも置いて行かれることなく、自然とストーリーに引き込まれる。
この本を読むまで知らなかったのは、キュレーターという学芸員の存在
学者、専門職としての仕事に加えて、
優秀な営業マンのような他の美術館などとの取引・駆引き業務もあることは意外だった。
恋の華・白蓮事件/永畑道子/藤原書店
ドラマ「花子とアン」にハマっていたこともあり、蓮様についてもっと知りたくなった。
何故、恵まれすぎている生活を捨ててまで、愛を求めたのか、
駆け落ちし、旦那には書簡という形で離縁を伝えたのか。
ドラマでは、仲間由紀恵が美しく演じていたこともあり、連様は魅力的だったけれども、
この小説や小池真理子の小説(白蓮れんれん )を通して感じたのは、
利己的で我儘だけれども、母性愛に飢えていて可哀想で立ち回り方が下手な人という印象。
不倫は良くないし、その点共感できるものは無いが、
時代が違えば、連様はまた輝けたのかもしれない。
ワインの科学「私のワイン」のさがし方/清水健一/ブルーバックス
テーマにされていることは、普段疑問に思うような気軽なネタが多いのに対し、
科学的にワインの旨味や酸味を紹介されており、他のワイン本とは一線を画している。
ちなみに、Kindleでこの本を読んだのだが、
文字がデータ化されているわけではなく、
ページをスキャンした形になっていたこともあり、読みにくかった。
解説に画像や表が用いられていることも多かったので、もう少し丁寧に読みたかった。
Kindleユーザーとして、もう少し快適に読めるようになることを願ってやまない。
クイズでワイン通 思わず人に話したくなる/葉山考太郎/講談社+α文庫
ワイン初心者から上級者まで、楽しくお勉強が出来る一冊。
クイズ形式で書かれていることもあり、単に受動的に読むだけでなく、
少し頭を使いながら読むことになるのが良いね。
今夜使えるワインの小ネタ 知ればおいしい!/葉山考太郎/講談社
葉山さんの本は、気軽に読めて面白いのが魅力。
この本も例外なく、笑いとワイン無しには、楽しめない。
海外ドラマや洋画でよく耳にするけど、なんとなくしか理解出来ないのがスラング。
スラングの中でも、恋愛・SEX関係の英単語やフレーズを紹介する本。
世の中に英語の本はあふれていても、
あまりスラングを解説した本は少ない(と思う)ので、読んで損は無いと思う。
余談にはなるが、学生時代に吉原真里先生の講演会に参加した。
吉原先生の『アメリカの大学院で成功する方法』や
『ドット・コム・ラヴァーズ ネットで出会うアメリカの女と男』で描かれている
吉原先生の赤裸々のご体験に憧れて、参加前からめちゃくちゃ意気込み、
勇んで質問を記憶がある。
当時は意識高い系だったので、きっと不躾な質問をしたんだろうなと思うと恥ずかしい。
ちなみに、ドット・コム・ラヴァーズは、
アメリカのオンラインデート事情を書いた本で面白い。
日本において、なかなかオンラインデーティングは主流にならないのはなんでだろう。
【読書録】たたかうソムリエ-世界最優秀ソムリエコンクール
第13回世界最優秀ソムリエ大会について、関係者のインタビューなどを交えてまとめたレポタージュ。
日本人としては、アジア・オセアニア代表の森覚氏、日本代表の谷宣英氏に加えて、審査員として田崎真也氏が登場する。
一方で、日本人だけを主役として登場させるのではなく、各国代表の家族や想いなどのエピソードも入っているのが興味深い。
この本を読んで改めて思ったことは、ブラインド・テイスティングが当てるためのものではないということ。
もう少しダイレクトに言うと、世界トップクラスであっても、当たらないことは当然のようにある。
その中でも、「ひらめき」に頼る部分と「推理」で理詰めで取捨選択していく部分と両方が必要。
「ひらめき」については、本を読む限りでは、素人には難しいだろう。
数多くのワインを飲む中で、紐と紐が結びつく感じが、きっと「ひらめき」や直感と言われるものなのではないかと思う。
一方で「推理」については、一定の訓練さえ積めば、誰でも出来る。
見た目、香り、味で見つけた特徴を元に、各国やその地域の特性、ぶどうの種類などで仕訳しながら推理していく。
もちろん、そのためには、訓練だけでなく、知識もつけないといけない。
あーワインが飲みたい(まだ朝だけど)。
5月の読書備忘録 その1
3月末に区の図書館が充実していることを知り、せっせと足を運んでいる。
働きながら2週間(+一定要件下における2週間延長サービス)で読める量は限られているけど、活字中毒者にはたまらない行政サービスである。
しかも、CDも借り放題なので、活用しない手はない。
住民税を真面目に払い続けて良かったと思える、数少ない瞬間である。
4・5月は「女性」と「キャリア」をテーマにして本を読みあさることにした。
その背景は、自分自身の修士論文のテーマをもう少し深堀したいと思ったこと。
(その辺りは、今後ひっそりと語るかもしれないし、闇に葬るかもしれない)。
加えて、自分自身がキャリアについて思い悩んでいるので、悩みのトンネルの脱出口を探したいということもあり、手当たり次第に読んでいたのかもしれない。
著者の経歴が異色ということもあり、興味津々で一気に読んでしまった。
まじめに仕事をやることが推奨されているわけではなく、自分なりの付加価値をどう付けるかという意味で「悪女」と捉えるということなんだと思う。
女子社員のためのビジネスノート (WAC BUNKO) / 吉越浩一郎 / WAC BUNKO
タイトルから「ボードを目指せ」とあったので、目指す地点が高すぎて、少し非現実的な内容ではないかという疑心暗鬼で本を手に取った。
確かに日本でも女性の管理職は増えてきていると思うが、更にその上へという意味で書かれている。
一見、女性も男性と同じレベル感で働けという話かと思いきや、「就活」が終わればすぐ「婚活」など、家庭をもつことにも重きをおいて書かれているのが面白い。
あなたも本を書いてみよう (1コインキンドル文庫第6巻) / 勝間和代
この本が魅力的なのは、勝間氏がこの本を通じて、自費出版ではなく、商用出版に限定して説明しているという点である(しかも100円!)。
商用出版はリスクが限られている一方で、様々な人と知り合えるチャンスにつながるからと説かれている。
確かに転職のような0か1かといったリスクは無く、毎日数分からでも始めれるという点では、誰にでもチャンスがあるのかもしれない。
女性の向上心 (PHP新書 553) / 井形慶子 / PHP新書
敢えて女性とタイトルに入れた理由がわからないほど、自分語りでつまらなかった(タイトルからそれがわかれば、もう少し面白かったかも)。
すべて読み終わった感想として、自分はすごい、若者は駄目だ、という内容に思えて残念。
すべて書ききれなかったので、残りの分はまた明日以降に更新。