【読書録】ごはんぐるり
先日のオイコノミアというNHKの番組に出演している西加奈子さんを見て、
とてもチャーミングな魅力の溢れる人だなと思った。
阪大の大竹教授、ピースの又吉、西さんと3人で、
直木賞や古本に関する経済学について取り上げられていた。
出演者の皆が関西出身なはずなのに、西さんの関西弁だけやたらと鮮明に響く。
キツい方言の関西弁だからではなくて、
関西弁というスパイスの効いた、好奇心旺盛な作家さんなんだなという印象を受けた。
安直だけれども、田辺聖子の小説に出てきそうなキャラクターだな、と。
そんな西加奈子の書いた食のエッセイ、「ごはんぐるり」。
普段の食、文学の中の食、海外の方食生活などなど。
食いしん坊な私は、読んでいるだけで、涎が出そうになった。
特に面白かったチャプターは「初デートの正解」だ。
「もし今、「好きな人」と初めて食事に行くとして、店を選ぶ権利を託されていたら、どんなところを選ぶだろうか。」
という仮定のもと、妄想における初デートのお店を考えるわけである。
狙いすぎたお店ではなくて、でも相手への気遣いを示せるお店。
あまりにも正解すぎず、
お店選びを通じて変態性を理解しあえるお店が初デート向きなのかもしれない。
その後、「正解すぎるお店」「オーダーの正解」「得意料理の正解」とチャプターは続く。
多分、異性が聞いたら面倒くさいと思われそうな内容が続くわけだけど、
同じ性別だからか、単なる食いしん坊だからか、相槌が止まらなかった。