えみーのマイペースな毎日

夫&息子2人と暮らしながら、見たこと・聞いたこと・考えたことをマイペースに更新するブログです。

【読書録】サラバ!

 図書館で約1年近く待って、西加奈子の「サラバ!」上下巻を読んだ。今まで読んだ小説の中では、マイベスト10に入るくらい、内容が濃くて面白かった。

 

サラバ!のあらすじを一言で述べると、ある少年が産まれてから40代くらいまでの人生について。その中でも、まず上巻で、第一章から第三章まで、それぞれテーマが異なり、読み進めるほど激しく感情が揺すぶられる。海外生活、性への目覚め(LGBT)、新興宗教。異質なテーマが、少年の目を通じて融和されていく。下巻に入ってからも、家族の離散、再集結、自分の信じるもの、と上巻とはある意味真逆な方向に進んでいくにも関わらず、やっぱり上手く一つにまとまっていく。

 

直木賞受賞作品ということもあり、良い作品であることは、多くの人に認められている作品に違いない。その中で、私がグッとときたポイントとしては、自分の体験と重複する部分があったからだと思う。親の仕事での突然の海外生活、言葉が通じない中での生活は、簡単には表しにくい葛藤の日々だった。その辺りが上手く擬音語なども使いながらあらわされていたのが、私が高く評価している点かもしれない。

サラバ! 上

サラバ! 上

 
サラバ! 下

サラバ! 下